2017年 04月 10日
広島・畝投手コーチは無能ではない
現役を引退した1992年以降、21年間スコアラーだった畝投手コーチ。
選手としての実績がないからか、当初投手コーチとしての評価は高くなく、2016年に優勝した際も目立ったエピソードがありませんでした。
しかし実際のところ、2015・2016年とチーム防御率を良いままキープさせ、先発からリリーフまで上手く機能させたうえ、2016年にはチームを優勝へ導きました。
これは、畝コーチの手腕によるところが大きいと言えるのではないでしょうか?
ベテランから若手まで機能させる
畝コーチは試合中、登板が終わった投手に対して、ベンチで声をかけている姿をよく見かけます。
打撃コーチ3人に比べると存在感はあまりない印象ですが、それが逆に投手にとっては良い環境を生んでいるともいえそうです。
特に2015・2016年シーズンは黒田という、偉大な選手がチームに合流したことにより、受け入れるチームとしての調整も大変だったのではないかと予測します。
しかしながら、畝コーチは黒田を含めた投手陣たちを上手く調整させながら、ベテランから若手まで非常に良く機能させたと思います。
選手の意志を尊重・優先
確かに、福井投手の一件で緒方と悶着したことはありましたが、あれも選手の意志を尊重・優先する畝コーチらしさが垣間見れた一件だったと思います。
とはいえ、ああいう場合はコーチとして選手を止めるべきですが…。
しかし、そんな姿勢は黒田に対しては非常に良かったのかなと思います。
特に、黒田が日本シリーズ日ハム戦で降板する際にも、傍で静かに見守りながら、あくまで黒田の意志を尊重しようとする姿勢には、胸打たれるものがありました。きっと普段からこうなんでしょうね。
三村イズム「導く姿勢」を貫く
選手の意志を優先・尊重するという姿勢は、できるようでできません。それには、選手との信頼関係が不可欠だからです。
選手を信頼して任せ、意志を尊重し自然と導く姿勢は、故・三村監督の教えに近いものを感じます。
ただ、あまり選手の意志を優先しずぎると怪我に繋がってしまう可能性もあるので、周囲のサポートが欠かせません。
スコアラー時代には動作解析装置を開発したり、キャンプで打撃ケージの真上にカメラを固定する装置も発明したりと、他の人にはない視点を持つ畝コーチ。
多くの人が気付かない所で、畝コーチがカープ投手陣そしてカープを良い方向へ導いているのは確かです。
投手の能力を最大限に引き出そうとする姿勢は、今後も若手投手陣の活躍へと導いてくれることでしょう。